皆さまからよくいただく疑問・質問にお答えします。
- Q
- 祭壇っていったい何?
- A
- 祭壇は、故人の魂をあの世へ送る供養の気持ちを表現した物です。もとは故人を寝かせてある枕もとに、蝋燭や線香を立てる台を作った「枕机」(野机とも呼ばれていた)が発展したもので、その机がお盆の飾りのように段をつくるようになり、後に葬列(柩のはいった輿を担いだりして火葬場まで行列を組んだ)で使用した祭具や輿を段に飾リはじめたことで現在の祭壇の形ができました。
この祭壇は各地の慣習によってさまざまな飾られ方をしています。
またお葬式での祭壇の役割は故人を祀るための象徴です。
宗教(仏式、神式、キリスト教など)によって祭壇の形態は変化しますし、宗派によっても若干の変化が見られる場合があります。
昨今では白木祭壇だけでなくお花で造った生花祭壇や故人の好きだった物などを形にしてオリジナルな祭壇をつくる動きも出てきています。
祭壇のお値段に関しては『ちょっと高額だな』と感じている方もいると思いますが、祭壇にはたくさんの種類があり、お値段にも低額なものから高額なものまで幅があります。祭壇の中でも白木祭壇は最も高級な祭壇とされ、そのなかでも総檜造りの無垢(上薬を使用していない木の質のまっさらな物)のものは超一級の高級品です。
ほとんどの場合、この費用の中に祭壇の運搬費や維持管理費、セッティングに関わる人件費。そして葬儀全体の施行費が組み込まれているとご理解下さい。
昨今の葬儀社の中には、祭壇費用を式場を飾る内装品として位置づけをし、レンタルリース料または製作料を設定。
別途、葬儀規模にみあったプロデュース料やコーディネイト料をお見積もりとして提示している会社もあるようです。
- Q
- 火葬場はどこにあるの? 都内で煙突見たことないけど・・・。
- A
- 火葬の規定は各市町村によって異なります。火葬場を選択するにあたり住民票などの規制は受けていませんが、都内での交通事情では渋滞などにより時間的な弊害が生まれるため、通常出棺する場所によって近郊の火葬場を選択します。
特に23区内に点在している火葬場は、住宅街などに隣接しているために煙突もありませんので、一見すると火葬場とは分からないほど整備されています。
東京都23区内での火葬場は全部で9ヶ所。 そのうち民間火葬場が7ヶ所で公営火葬場が2ヶ所です。日本国内において土葬が認められている地区も ありますが、火葬を義務付けている地域は全国の99%にもなります。
東京都内の火葬場の種類と価格
- Q
- お葬式はしなくてはいけないの?
- A
- お葬式をしなくても何かの罰則が課せられるわけではありません。なかにはお葬式もなにもせず火葬だけをしてすぐに埋葬する事もあります。
そのような場合でも私共葬儀社は、車両の手配やご遺体の処置、棺の準備、火葬場の案内などのお世話をさせていただきます。
お葬式は宗教儀式として執り行われる通夜式と葬儀式。そして社会的な告知として行われる告別式と2種類の意味合いを持って執り行われます。
人は社会生活を営むにあたり少なからず社会との関わりをもっています。それは友人、知人、会社、近隣の方々との付き合いなどです。
そういった身内以外のお付き合いを無しとして、親兄弟などの家族だけで行う別れあるでしょう。これも一つのお別れの形です。しかし交友のあった友人、知人達も故人とお別れをしたいと思っていることでしょう。
お葬式を「する」「しない」のどちらかが「正しい」「正しくない」ではなく、残された者の想い(生前に故人の意思があるならばその意思)をどう自分達が表現するか、そこに大切な人を見送る意味があるのではなでしょうか。
- Q
- 密葬希望。誰にも知らせず家族だけで静かに行いたい。密葬ならば費用は安い?
- A
- 「密葬」とは、近親者・家族のみで行う葬儀の事を言います。字のごとく秘密にして外には口外しないということです。
昔は「密葬」=「本葬儀を後日行います」という意味合いに使用されていた時期もあったようですが、広辞苑ではそのような記述はされておらず、本来は内々で行う葬儀のことを表した言葉です。この『密葬』ですが、よく兄弟間や親戚の間で、外部のお付き合いの人々に通知をするかしないかで揉めている光景を目にします。
家族は『密葬』を希望していても、故人もしくは遺族の社会的な立場上、対外的にお葬式を告示しなければならない場合もあるでしょう。
『密葬』で執り行うことにこだわりすぎてしまい、逆に様々な軋轢を生み出す場合も多いようなので、よくご家族、ご親族で話し合っていただきたいと思います。
さて実際に「家族だけで葬儀を」とは言っても田舎の親族達を無視するわけにはいきません。いくら兄弟の少ない方でも、通常家族を持った家庭ならば親族だけでも10名から30名ほどにはなります。
また故人と仲の良かった友人が1人でも2人でもいた場合、その方々を最後のお別れにお呼びしないというのはどうなのでしょうか。
会社勤めの方なら、忌引きとして会社にお休みをとれば、必ず同僚達の耳に入る筈ですから、その同僚達に会葬のお断りを連絡せねばなりません。
この様な申し合わせをきちんとしておかないと、通夜当日「お礼状が足りない」「会葬品やお料理が足りない」などの事態を招いてしまうので十分注意しましょう。
『密葬』の場合の費用ですが、お葬式のお勤めをしていただく宗教者への御礼(お布施など)は、人数が少ないから金額が変わるということではありません。
葬儀式場の使用料も同様です。そして祭壇などの内装金額も選択していただいた内容のままです。
『密葬』で行った結果費用がかからないのは、大規模な受付設備等を設置しなくていい点や葬儀スタッフの人員の追加が要らないこと。そして通夜振る舞いのお寿司や飲み物の金額。最後に会葬品の使用金額です。
火葬後に食事をする(精進落とし等)場合のお弁当は、比較的身内で行う事が多いので、金額にさほどの差はでないと思います。
こうなると単純に「人が集まるとお金がかかる」 と思えてきますが、会葬者の方々からいただくお香典が収支としてありますので、場合によっては沢山の方々が会葬していただいた結果、お香典で葬儀代金がまかなえる場合もあります。
『密葬』にしたことによって葬儀費用がかからなくなるとは、一概に言えない部分があるのが葬儀です。
- Q
- 火葬場の料金が一律ではない。それはなぜ?
- A
- 皆さんは、火葬場という施設はすべて公営(税金でまかなわれている公のもの)だと思われていませんか?
東京都内での火葬場の数は全部で16件。そのうち半分の8件が公営火葬場です。
23区内にいたっては、9件中7件が民間の株式会社が経営する火葬場です。
そのため、価格や火葬のシステムは経営する会社によって若干の違いがあります。
単純に火葬をする事だけを考えると、公営火葬場を使用するほうが確かに安価ですが、民間火葬場は様々なサービス(例=無料おしぼり配布や待合室での給し係りなど)が徹底されています。
また火葬炉の設置数と一日に稼動できる炉の数が、公営火葬場の約5倍で、特に過度な人口密集地となっている23区内では、火葬炉の稼動数は大変重要です。そのために、施設に関わる人件費や設備の維持、管理費なども算出した上での火葬料金の設定となっているようです。
公営火葬場のように公費でまかなえる部分が無い分、火葬費の設定が高くなってしまうのも否めないのでしょう。
また民間火葬場では、火葬炉に料金差が設定されています。この事に関しては、賛否両論かと思います。
実は、火葬が一般的になってきたのは、戦後の復興の更に後のことです。それまでは土葬が一般的でした。全国にも民間火葬場は数多く存在し、私達生活者が火葬場というものは、公的なものだと思い込んでいる部分が多くあるようです。
- Q
- 葬儀社をとおさなければ葬儀はできないのでしょうか?
- A
- はっきり言ってしまうと葬儀社に依頼をしなくても葬儀はできます。
しかし現実問題としては難しいというのが正しい答えになるでしょう。
これは関係各所の手続き(火葬場の予約や式場の申し込みなど)で葬儀社を窓口として受付している場合がありますから、そういった場合は葬儀社を介入させなければなりません。
また、現在はほとんどの地域で火葬が義務付けられており、ご遺体は棺に納めて火葬しなければなりません。その棺をどのように入手するか、ドライアイス等の防腐処置をどの程度まで一般の方達が準備できるかといったような問題なども考えると、葬儀社に世話になるのは仕方がないことなのかもしれません。但し法律で葬儀社の介入を指示しているものではありませんので、一般の方々が葬儀を取仕切ることは不可能ではないということです。
昨今ホテルなどで行われるお別れ会(骨葬)の演出等は、イベント会社が手がける場合も多く見受けられるようになりました。しかしこれは骨葬(通常の葬儀は密葬としてすでに終了し、お骨にしてある状態で広く告知をして行われる葬儀)の場合に限ったことで、通常の葬儀式の流れでは、上記の理由も含めて葬儀社に依頼するのが良いのではないかという結論になります。