2024.10.24 葬儀
「密葬」とは、近親者・家族のみで行う葬儀の事を言います。
字のごとく秘密にして外には口外しないということです。
昔は「密葬」=「本葬儀を後日行います」という意味合いに使用されていた時期もあったようですが、
広辞苑ではそのような記述はされておらず、本来は内々で行う葬儀のことを表した言葉です。
この『密葬』ですが、よく兄弟間や親戚の間で、
外部のお付き合いの人々に通知をするかしないかで揉めている光景を目にします。
家族は『密葬』を希望していても、故人もしくは遺族の社会的な立場上、
対外的にお葬式を告示しなければならない場合もあるでしょう。
『密葬』で執り行うことにこだわりすぎてしまい、逆に様々な軋轢を生み出す場合も多いようなので、
よくご家族、ご親族で話し合っていただきたいと思います。
さて実際に「家族だけで葬儀を」とは言っても田舎の親族達を無視するわけにはいきません。
いくら兄弟の少ない方でも、通常家族を持った家庭ならば親族だけでも10名から30名ほどにはなります。
また故人と仲の良かった友人が1人でも2人でもいた場合、
その方々を最後のお別れにお呼びしないというのはどうなのでしょうか。
会社勤めの方なら、忌引きとして会社にお休みをとれば、必ず同僚達の耳に入る筈ですから、
その同僚達に会葬のお断りを連絡せねばなりません。 この様な申し合わせをきちんとしておかないと、
通夜当日「お礼状が足りない」「会葬品やお料理が足りない」などの事態を招いてしまうので十分注意しましょう。
『密葬』の場合の費用ですが、お葬式のお勤めをしていただく宗教者への御礼(お布施など)は、
人数が少ないから金額が変わるということではありません。 葬儀式場の使用料も同様です。
そして祭壇などの内装金額も選択していただいた内容のままです。 『密葬』で行った結果費用がかからないのは、大規模な受付設備等を設置しなくていい点や葬儀スタッフの人員の追加が要らないこと。
そして通夜振る舞いのお寿司や飲み物の金額。最後に会葬品の使用金額です。
火葬後に食事をする(精進落とし等)場合のお弁当は、比較的身内で行う事が多いので、金額にさほどの差はでないと思います。
こうなると単純に「人が集まるとお金がかかる」 と思えてきますが、会葬者の方々からいただくお香典が収支としてありますので、場合によっては沢山の方々が会葬していただいた結果、お香典で葬儀代金がまかなえる場合もあります。
『密葬』にしたことによって葬儀費用がかからなくなるとは、一概に言えない部分があるのが葬儀です。