「葬儀」とは、読んで字のごとく人が亡くなった場合に行う「葬」=葬る、葬送 「儀」=儀式 の事です。
儀式ですから、通常はとり決まった儀礼の方法に従って執り行います。
この「とり決まった儀礼」は、各個人の信仰する宗教や地域の慣習などによって方法が変わってきます。
現在、日本では8割以上の人が仏式の信仰をもち、お葬式を仏式で行う方が大多数です。
仏式以外のキリスト教や神式などその他にも様々な宗教が世の中には存在しており、人が死ぬという事に対する「死生観」=死に対する考え方 が、信仰する宗教によって違うため、葬儀はその考え方に基づいた宗教儀礼として執り行います。
しかし、私達は人間の個人の尊厳として信仰の自由があります。
なかには、一切の信仰を持たないという「無宗教」を己の考えとしてもっている方もいます。
その場合は、宗教儀礼ではない「個人の考え方」で葬儀を行う場合があります。
あえて宗教的意味を排除し、儀式ではなく故人を偲ぶために集まる会を催し、葬儀の一つの形式にしています。無宗教で執り行った場合は、「お別れ会」や「偲ぶ会」などの名称がついている事が多いでしょう。
私達がお世話させていただく葬儀は、仏式だけではありません。葬儀社はあらゆる形式で執り行われる葬儀のお世話をします。
まず大きく分けて、葬儀の形式は2種類に分かれます。
現在、日本で一番多く執り行われるのが仏式のお葬式です。日本の仏教には、いくつかの宗派があり、その宗派によって教義が違います。 したがって葬儀式は各宗派の考え方を汲んだ流れで執り行われます。 現在(都内での)一般的なお葬式のながれは、亡くなってから数日のうちに通夜を行い、 翌日葬儀式と告別式を一緒に行います。 式が終了すると火葬場へ向かうために出棺をし、お骨上げが終了するとそのまま式場へ戻り、本来死後七日目に行う初七日法要を火葬日と同日に繰り上げて行ってしまいます。 遺族はお通夜の準備として「通夜振る舞い」といってお酒や食事を用意して弔問客をねぎらい、弔問客は故人を偲びながら食事をします。 翌日の葬儀・告別式では会葬者は焼香後に出棺を見送り、親族もしくは関係者が火葬場へ向かうのが一般的です。そして式終了後に精進落しの食事をして、二日間のお葬式はすべて終了となります。この葬儀スケジュールは、都合によって初七日の法要や食事などの順番が前後することがあります。
神道は祭祀の宗教です。神式のお葬式の流れは、仏式と同じように一般的に通夜式(通夜祭)を行い、翌日葬儀・告別式(移霊祭、出棺祭など)を行います。火葬が終了すると式場へ戻り十日祭(仏式の初七日のようなもの)を繰り上げて行います。祭壇には海の幸、川の幸などのほか、大地から取れた恵みをお供えします。 神葬祭では死者の霊魂を浄化させ、残された遺族の死穢を祓うために儀式を行います。神式神式続き遺族や会葬者は仏式のようなお焼香ではなく、「玉串奉典」といって祭壇に玉串を捧げます。 神道では「死」は穢れとされているので、『お清め』とは元来神道の考え方です。 玉串奉天終了後は 仏式と同じく、通夜の席では食事やお酒を用意して弔問客をもてなし、翌日も式が終了すると残された親族達で食事をして終了となります。
一般的に出棺の前夜に近親者や教会などの共同体で集合し、祈りを捧げる通夜式を行います。 場所は教会で行う場合が多いですが、自宅で行う場合もあるでしょう。 翌日、葬儀ミサと告別式を行って出棺をします。 通夜、葬儀ミサとも祈りを捧げて賛美歌を歌い、献花を行います。 通夜式、葬儀ミサともに食事をする習慣はなく、祈りを捧げることが主体となりますので1時間から2時間ほどのお式で終了となります。
最近、お葬式を特定の宗教(信仰)の儀礼として行わず独自の解釈によって故人とのお別れのお式をしたいという方がいます。 このようなお葬式を一般的に『無宗教葬』という言葉で表現しています。 お式の形態はさまざまで、送り出す側の考えによって形態が変わってきます。 お式の内容もしっかりと式次第を決めて執り行う場合や欧米のようにホームパーティー形式で行う場合もあります。 「偲ぶ会」「お別れの会」「送る会」など様々な呼び方をされています。